私のイチオシ有名人 (5) 相川七瀬論。

彼女も異彩を放つ歌手である。現在は第一線を退いてはいる感はあるが、それでもテレビで歌っている姿をみるとついついみてしまう。若手の姉ちゃんユニットとコラボして歌っていても、画面負けは全くしていない。むしろ、組む相手によっては主役の座を完全に奪っている感さえある。

彼女の人生は織田哲郎と会ったことに始まる。彼に師事することで、90年代を代表する女性シンガーの地位をせしめた。

デビュー曲の、「夢みる少女じゃいられない」、は大ヒット。黒づくめのCDジャケットは織田のアイデア。スタッフには反対されたらしいが、織田は譲らない。さすが、一流は違う。相川が売れるイメージが明確にあったからであろう。彼は時代が読めている。さすがだ。正しく逆張りができるのは、一流の証。

好きな歌はいくつもあるが。「Sweet Emotion」は特にいい。PVは特にお気にいり。相川自身もハジケているが、演出も心憎い。ガスマスクつけたバイオリニストのアイデアは誰が出したのだろうか。斬新すぎるが、見事に曲調にマッチした演出だ。

相川の才能・センスは織田とタッグを組むことで見事に開花した。だが、最初はオーディション合格後も相川はオファーを断ったらしい。織田は粘る。連絡先だけ渡し、その場は物別れ。その後、相川から織田にコンタクト、という流れらしい。

それにしても、織田の眼力は鋭い。彼は歌手としても一流だが、楽曲提供者、プロデューサーとしては超一流だと思う。幽遊白書の妖怪レベルで例えば、どちらもS級レベルだが、後者は黄泉レベルではないだろうか。

織田は他の一流シンガーと違い、とても温厚な人柄にみえる。そんな彼は私の尊敬する人物の一人。自分が年老いたときは、織田哲郎のように、相川七瀬のような人材を発掘してみたい。できれば、多少は一緒に仕事もしてみたい、彼/彼女の才能を育む過程として。