創薬論(5)臨床予測性

新薬の場合、臨床試験のPhase II成功率向上が喫緊の課題。いかにその成功確率を早い段階で予見できるかに皆悩んでおる。


論文等にもケミストなら化学構造、タンパク質オタクならアミノ酸配列、それらと上市した事実を結びつけたtableはよくみる。

ただ、前から思ってたこと。

私の結論。予測って原理上不可能だと思います。第一にこの手の予測にどのくらい意味があるのかね。本当に見出したことが的を射ているのかも怪しい。因果関係と相関関係の違いの視点をふまえてほしい。

あとは予測してからの答え合わせまでの時間が長いのも課題。予測して10年後に結果出ても意味ないじゃん。ただ、そのスパンが短くなると話は変わってくるかな。

臨床予測性を高める手段としてよくあるのはヒト組織の利用。あとはオルガノイドの利用。

で、私は何をしたかったのか。それは数式モデリング。前職で某提案を練ったときの指導役担当者との問答。

担: 臨床予測性を高めるにはどうしたらいいと思いますか?

私: 月並みですが、ヒト組織評価とかオルガノイドですかね。

担: それは既にやってます。それ以外のプランを期待しています。

ある種の衝撃に見舞われた。そりゃそうだ。ヒト組織やオルガノイドで臨床予見できるなんて皆知ってること。正解かどうかは別にして。たしかに今までのアプローチとは違った結果は出てきそうな気はする。

私のアプローチ?そりゃ数理モデルですよ。社内ベンチャー立ち上げ、一度はやってみたかったな。数理モデルと実験科学の真の融合研究の采配をふるってみたかった。


豊臣秀吉ではないが、つくばのことも夢のまた夢。

一回回り道するのも風流。実は意外や意外、近道だったりね。